【特許】高分子アクチュエーター及びその製造方法 特許5604676号

イオン伝導性高分子膜の両面に電極を形成し、この電極に電圧を印加することで前記イオン伝導性高分子膜を変形させる高分子アクチュエーター及びその製造方法に関する内容です。イオン伝導性高分子膜に延伸した状態で電極層を導入し、素子を切り出す方向により、湾曲変形時に、曲面変形の方向に異方性が得られる高分子アクチュエータが製造できます。ねじれるような、通常では実現が不可能な湾曲変形が簡単に得られます。1V程度の低電圧より作動します。

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発明者:庄司英一、畑下昌範

特許5604676号 (2014.10.15)

特開2011-172383 (2011.9.1)

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【請求項1】
イオン伝導性高分子膜の両面を導電性材料で被覆したイオン伝導性高分子複合体を有する高分子アクチュエーターであって、
応力ひずみ線図の降伏強さから破断までの間で少なくとも一軸方向に延伸した前記イオン伝導性高分子膜と、
前記イオン伝導性高分子膜に延伸力を付与した状態でメッキ処理を行うことで前記イオン伝導性高分子膜の両面に形成された前記導電性材料の電極と、
を有することを特徴とする高分子アクチュエーター。
【請求項2】
請求項1に記載の高分子アクチュエーターにおいて、
前記イオン伝導性高分子膜複合体の駆動面が、前記イオン伝導性高分子膜の交叉する二つの延伸軸のそれぞれに対して交叉する方向に設定されていること、
を特徴とする高分子アクチュエーター。
【請求項3】
異なる複数軸方向に前記イオン伝導性高分子膜を延伸する場合において、前記イオン伝導性高分子膜における少なくとも一つの軸の延伸位置を、他の軸の延伸位置と異ならせたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子アクチュエーター。
【請求項4】
イオン伝導性高分子膜の両面を導電性材料で被覆したイオン伝導性高分子複合体を有する
高分子アクチュエーターの製造方法であって、
イオン伝導性高分子膜材料を応力ひずみ線図の降伏強さから破断までの間で少なくとも一軸方向に延伸する工程と、
前記イオン伝導性高分子膜材料に延伸力を付与した状態でメッキ処理を行い、前記導電性材料の電極を前記イオン伝導性高分子膜材料の両面に形成する工程と、
を有することを特徴とする高分子アクチュエーターの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の高分子アクチュエーターの製造方法において、
二つの交叉する前記延伸軸のそれぞれが前記イオン伝導性高分子膜複合体の駆動面と交叉するように、前記イオン伝導性高分子膜材料からイオン伝導性高分子膜を取り出す工程を有することを特徴とする高分子アクチュエーターの製造方法。
【請求項6】
異なる複数軸方向に前記イオン伝導性高分子膜を延伸する場合において、前記イオン伝導性高分子膜における少なくとも一つの軸の延伸位置を、他の軸の延伸位置と異ならせたことを特徴とする請求項4又は5に記載の高分子アクチュエーターの製造方法。