[音読] 句点「まる(。)」と読点「てん(、)」の記号は統一すべきです。それが日本語ならどような文書でもです。

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以下の記事の一部は、福井新聞

【こだま】2019年2月6日付

に掲載されました。

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コンマやピリオドなどとチャンポンでは日本語、国語として問題だという意味です。

小学1年生で、句点は「まる」、読点は「てん」だと国語で習います。文法として、句点は「まる」、読点は「てん」だということです。

日本語であるなら、縦書き、横書きにかかわらず句点は「。」、読点は「、」で書くべきです。英文では文法として「,」のコンマや、「.」のピリオドを文中で使うことになっています。英語では「、」や「。」は使いません。他の外国語でも句読点に関しては決められています。日本語の横書きでは、1952年に内閣が公用文作成の要領で、句読点は,横書きでは「,」および「。」としました。これが混乱の種でしょうか。句点はテンを打つ、コンマもテンとして混乱したのかと思います。テンはテンでもコンマはダメだと思います。元々の用途が異なるので、違和感があります。和洋折衷ですか?発表から67年も経っているこの要領が、日本政府の国語政策に基づく最新の基準であるとすると時代に取り残されている状況です。

「,。」や「、。」は官庁の公文書でも混在しています。ある情報系の学会では日本語記事の場合「,.」を使え、つまり、句点に「.」を使えと投稿規定のルールに決めているところがあります。「.」はピリオドです。日本語として違和感があります。こうしたケースは一部で、工学系でも分野によりますが「、。」は普通です。

手元にある最近の小学校の国語の教科書で、横書きの部分に、「,」や「。」が使われています。日本語として、句点「。」、読点「、」であるので教科書も読点はコンマではなくテン「、」を使うべきです。

日本工業規格(G,P.57)には、句点は「。,」とあり、実際に規格文は句点「。」は文の終わりに用いると定義されています。しかし、読点の定義がありません。「、」の定義がないのですね。読点を句点と混同して、「,」としているようです。

英単語などが日本語の文に混在して文章を作る状況でも、それが日本語であるなら、公文書、学術文書、年賀状などに関わらず、句点は「。」、読点は「、」と統一すべきです。チャンポンは良くない。

個人の裁量でチャンポンが任されている現状は、国語として、大きな問題だと思います。就活の提出文書など、あるいは人生に大きく影響する提出文章に、あなたは「,.」を使いますか?日本語である以上、目的別に変えるのなら、それはおかしいですね。

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追記情報:

日弁連の場合、読点の種類について裁判文書は「,」に統一しているので、「,」の使用する。ただし「、」を使用されている文書も用いることができる。(平成12年11月16日日弁連企第231号)
これは結局は、読点は「、」と「,」の両方使いはOKだということです。但し、句点は「。」で、「.」は認められません。 1952年の公文書の通達が影響しているのかと思います。

「左横書き文書の作成要領」1959(昭和34)年 自治庁(後の自治省→総務省)では、句読点は「。」及び「、」を用いる。「,」は用いない、とあります。

句点が「。」、読点が「、」でなかった、大手の理工系出版社が刊行する一般雑誌や工学系の学会になぜそうしているのかの理由を問い合わせています。しかし、そうしたスタッフは誰一人、合理的で決定的な理由を説明できない状況です。説明について、今のところ決定打がありません。

いろいろ細かく調査中ですが、理系文書における、「横書き」+「カンマ」+「ピリオド」のスタイルは、その昔、ごく一部の知識階級の趣味のスタイルで使われ始めた可能性が出てきます。そうだとすれば、趣味であり、これには合理的で決定的な理由が見いだせません。例え数式などが混在しても、国語として、そもそも全体が日本語の文章の流れなので句点「。」、読点「、」で問題が無いはずです。てんとまるにより、書かれた日本語の文章の美しさも際立ちます。



追記 2025.4.15
2022年の「公用文作成の考え方(文化審議会建議)」と「解説」では、句読点の組み合わせが原則、テン「、」とマル「。」になりました。

公用文作成 公用文作成 公用文作成 公用文作成 の考え方 (建議 )より引用:”句点には「。」読点には「、」を用いる。横書きでは、読点に「,」を用いてもよい句点には「。」(マル)、読点には「、」(テン)を用いることを原則とするが、横書きでは事情に応じて「,」(コンマ)を用いることもできる。ただし、両者が混在しないよう留意する。学術的・専門的に必要な場合等を除いて、句点に「.」(ピリオド)は用いない。欧文では「,」と「.」を用いる。”

『学術的・専門的に必要な場合等を除いて』とありますが、必要を感じないのに、句点に「.」になっている状況がある。数式が多く混在する分野では必要な場合になっても、例えば、化学系では、日本語の文書としてテン「、」とマル「。」が自然で読み易い。

学術的・専門的に読点にコンマ、句点にピリオドを使っていた研究者が、一般的な日常文のやり取りで、読点にコンマ、句点にピリオドを使う人がいます。職業病であり、そうした日本語の文書にはテン「、」とマル「。」を使うべきです。教員の役目として、理工系学生が卒業する際は、このことを説明し、句読点の”呪縛”を解いてあげるべきです。日常文章の読点にコンマ、句点にピリオドを使われたのでは不自然、違和感があります。