■ そのラジオ、今使えますか?
近年、日本各地において地震活動が継続的に観測されており、災害に対する備えの重要性が改めて認識されています。
現在2026年5月17日時点においても、ここ1ヵ月前後を見れば、強い揺れを伴う地震が各地で発生しています。
・2026年4月18日 長野県北部(最大震度5弱)
・2026年4月20日 三陸沖(最大震度5強 / M7.7)
・2026年4月27日 北海道十勝地方南部(最大震度5強 / M6.2)
・2026年5月2日 奈良県(最大震度4)
・2026年5月7日 静岡県中部(最大震度3)
・2026年5月15日 宮城県沖(最大震度5弱 / M6.4)
・2026年5月15日 硫黄島近海(最大震度3 / M6.0)
このような状況の中で重要となるのは、災害時において何が「成立し得る情報手段」であるのかという視点です。
内閣府および気象庁は、特別な注意喚起期間終了後も、「大規模地震の可能性がなくなったわけではない」として、日頃からの備えの継続を呼びかけています。
これは、過度な不安を煽るものではなく、現実的な防災行動へと社会を戻すための重要な判断といえます。
以下に、災害時における情報手段の特性を整理した図を示します。
この図は、災害時における情報手段を「成立条件の数」という観点から整理したものです。
通信(スマートフォン・インターネット)は、
・基地局
・バックボーンネットワーク
・電力供給
など複数の要素に依存しており、これらが同時に失われた場合、成立が困難になります。
一方で、地上波ラジオ(特にAM放送)は、
・広域伝搬性
・同報性(一対多)
・低消費電力受信
・単純な受信構造
といった特性により、比較的少ない条件で成立し得る情報手段です。
■今できる備え
このような背景を踏まえ、今すぐできる備えとして、以下の点が挙げられます。
・家にあるAMラジオが受信できるか
・電池が入っているか、使用可能な状態か
また、手回し発電ラジオについては、内蔵電池の劣化により十分に機能しない可能性もあるため、定期的な確認が必要です。
■通信と放送の関係
スマートフォンは極めて有用な情報手段ですが、災害時には通信障害や停電の影響を受ける可能性があります。
そのため、
通信と放送を併用すること
すなわち、
複数の情報手段を確保することが、情報到達性(Reachability)の観点から重要となります。
■まとめ
停電や通信障害が発生した状況においても、
最後まで情報が届き得る手段の一つが地上波ラジオです。
情報が得られない状況では、
不確かな情報や流言が広がり、社会的混乱につながる可能性があります。
そのようなときこそ、
落ち着いて信頼できる情報を受け取る手段を持っておくことが重要です。
日頃の備えが、
自身および周囲の安全・安心につながります。
■補足
本研究室では、災害時における情報到達性の観点から、放送波の特性や電波伝搬に関する研究を継続的に行っています。
日々の発信については、X(旧Twitter)にて連載形式で紹介しています。
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初稿: 2026.5.18


