米国化学会(ACS)より25年以上の継続会員表彰を受けました

大学研究者としての活動は、
実験や講義、学生指導、論文執筆、特許出願、学会発表、展示会出展、公開講座といった日々の仕事の積み重ねによって成り立っています。
多くの場合、その時間の長さや意味を意識することはほとんどありません。

先日、2026年度に向けた会費関係のメールを検索・整理している中で、
American Chemical Society(ACS)から届いていた、
1年前の一通のメールに、今になって気づきました。

そこには、25年以上にわたりACSの会員として活動してきたことに対する
Certificate of Appreciation が添えられていました。
発行日は2024年6月25日。
当時は気づかぬまま、日常の研究や教育に追われていたようです。

振り返れば、大学院時代に恩師の勧めで国際学会に関わり始めてから、
研究分野や立場は変わっても、
「学術コミュニティの一員として研究を続ける」という姿勢だけは、
変わらず続いてきました。

American Chemical Society(ACS)の学術誌は、学生時代から研究の方向性や水準を考える上で、大きな刺激を与えてくれる存在でした。
高分子材料や電気化学系の研究に携わる中で、ACSの論文誌に研究成果を掲載することは、研究者としての一つの到達点として、自然に意識されるようになっていました。

25年という数字自体に特別な意味を見出していたわけではありませんが、
こうして節目として可視化されることで、研究とは短距離走ではなく、
時間をかけて積み重ねていく営みであることを、あらためて実感します。

研究室に所属する学生の皆さんにとって、今取り組んでいるテーマや日々の試行錯誤は、すぐに成果として見えないことも多いでしょう。
しかし、研究は確実に時間の中に蓄積され、やがて思いもよらない形で評価されることがあります。

これからも、目先の結果だけにとらわれることなく、学術コミュニティとともに歩みながら、研究と教育に向き合っていきたいと思います。

Recognition for Over 25 Years of Membership in the American Chemical Society

I was honored to receive a Certificate of Appreciation from the American Chemical Society (ACS) recognizing over 25 years of continuous membership.

Looking back, my involvement with ACS began during my graduate studies and has continued throughout my career as a researcher and educator.
Being part of the global scientific community for such a long period has been an invaluable experience, and I am grateful for the many opportunities for learning, collaboration, and exchange that ACS has provided.

I hope to continue contributing to research and education while maintaining strong connections with the international scientific community.

(補足)

・本記事には、ACSより発行された「25+ Year Membership」認定証の一部画像を添えています。
・本認定は有効期限のない、ACSが発行する公式デジタル認証であり、以下のリンクより確認できます。
https://credentials.acs.org/6defc1dc-aa54-43da-a6b3-551218205feb?utm_source=twitter&utm_medium=social