巻き取り式の無給電ラジオを開発 #2 ― スマホで災害時にAM放送の地上波を受信可能、汎用の電池式・手回しラジオの感度不足も格段に向上できるアンテナ機能

巻き取り式無給電ラジオHOOPRAの様々なプロトタイプを開発しています。ポケットに収まるサイズでありながら、アンテナ線の工夫で、電池不要で放送波を高感度に受信できます。

このモデルはジャックが側面についたモデルです。ジャックにスマホ連携アダプタやイヤホンなどを接続して使います。スマホ連携アダプタでスマホに接続した場合、無給電ラジオはずっと無給電であり、スマホからの電力供給はありません。スマホで地上放送のAM放送が受信できます。

また、電池式・手回しの汎用防災AMラジオの高性能な外部アンテナとして活用可能
(難聴地域や受信性の悪い一次避難所での受信対応にも有効)巻き取り式HOOPRAは、当研究室の登録特許技術に基づく巻き線構造を採用することで、小型でありながら感度と選択性(選局のキレ)が格段に向上しています。

高感度設計と実証結果

巻き取り式HOOPRAは、当研究室の登録特許技術に基づく巻き線構造を採用することで、小型でありながら高感度な受信性能を実現しています。

菖蒲久喜送信所からのNHKラジオ第1放送(594kHz)を受信し、半径80km圏でアナウンサーの声が聞き取れます。コンパクトで軽量でありながら、広域での受信が可能であることを実証しています。


災害時の「最後の砦」

災害時には次のような状況が想定されます。災害時の過去の教訓です。

・停電(テレビは使えない)
・ネット寸断(ネットラジオは使えない)
・スマホ通信の輻輳(スマホは使えない

こうした中でも、中波(AM)放送は受信が可能であり、情報取得の「最後の砦」となります。
NHKは今後も中波放送を継続する方針です。全国放送や緊急地震速報クラスの情報であれば、隣県のNHK局からの放送を受信することもできます。
地域局が被災した場合でも、広域災害下で隣県から確実に情報を得られる手段として、ネットや停電に左右されない、電力に依存しない防災ラジオとなります。