🎉2025年度 助成採択のお知らせ🎉
このたび、公益財団かけはし芸術文化振興財団の2025年度助成対象活動として、当研究室のプロジェクトが採択されました。
採択事業名:
『打楽器演奏ロボットをMIDIで遠隔制御する誰でも楽しめるユニバーサルな演奏ウエアの開発と「リズムの輪を広げよう ~ロボットと一緒に遊ぶ音楽会~」の企画』
このプロジェクトは、これまで当研究室が特別支援学校、院内学級、重症心身障がい児者福祉サービス事業所、小学校、さらには教職員向けセミナーなどで実践してきた打楽器演奏ロボット(MUSICROBOT)を活用した音楽体験活動の成果を基盤にしています。
MIDI技術を活用したユニバーサル演奏ウエアを開発し、障がいや世代を越えて、誰もが合奏に参加できる「リズムでつながる音楽体験」を、さらに多くの場へと広げることを目指しています。
また、この取り組みは単なる演奏体験にとどまらず、音楽療法やリハビリテーションの現場での活用を視野に入れています。実際の演奏を通じて、音楽がQOL(生活の質)の向上にどのように貢献できるかを探り、医療・福祉現場における音楽支援技術の未来と社会実装への可能性にも挑戦します。
MIDIの可能性を“電子楽器”から“本物の楽器”へ
MIDIはもともと電子楽器の制御規格として開発されましたが、当研究室ではこの技術を用いて、本物のアコースティック打楽器を制御する演奏ロボットを開発しています。
電子音ではなく、スネアドラム、ウッドブロック、タンバリン、シンバルといった生の楽器が奏でる「本物の響き」を、誰でも・どこからでも操作できることで、音楽体験の多様性と参加性を飛躍的に拡張します。
梯郁太郎氏と財団の理念
このプロジェクトが採択された公益財団かけはし芸術文化振興財団は、電子楽器メーカー「ローランド株式会社」の創業者であり、MIDIの生みの親である梯郁太郎(かけはし いくたろう)氏の理念を受け継いで設立されたものです。
梯氏が1983年に主導したMIDI規格の策定は、メーカーの垣根を越えた音楽制作環境を実現し、世界中の音楽家や教育現場、福祉分野においても大きな影響を与えました。
“音楽をすべての人に”という精神は、当研究室の活動の根幹をなす理念であり、本プロジェクトは、その理念を「本物の打楽器」「ロボティクス」「個の特性に応じた演奏支援機器」によって実現しようとする挑戦です。