ナノファイバーとそれを不織布にしたナノファイバーマットは先端材料として世界的に注目が集まっています。多くのナノファイバーをその不織布のナノファイバーマットは絶縁体ですが、それらに導電性を附与した導電性ナノファイバーや導電性ナノファイバーマットは、エレクトロニクスや電子材料として非常に多くの分野に可能性を拓きます。
本登録特許は高分子をエレクトロスピニングなどの方法でナノファイバー化させ(ナノファイバー不織布)、無電解めっきを施して、導電性ナノファイバーを製造する内容です。高分子電解質などのイオン伝導性高分子を用いることで、金属イオンが静電的に強く相互作用します。確実に金属イオンを吸着して、その後の還元処理による、しっかりした無電解めっきとなります。めっきされる側がナノファーバーでとても繊細なので、従来のプライマー処理などが不要でとても繊細にめっきが施せる技術です。本特許技術に関わる場合はライセンスについてお問い合わせください。
導電性ナノファイバーの製造方法 (特許第6083751号)
【請求項1】
イオン伝導性ポリマーをナノファイバー化し、ナノファイバー化した前記イオン伝導性ポリマーの繊維を金属溶液に浸して金属イオンを前記繊維に浸潤させた後、カチオン置換又はアニオン置換による無電解メッキにより繊維内部の金属を析出させて導電層を繊維表面に形成すること、を特徴とする導電性ナノファイバーの製造方法。
本特許はイオン伝導性ポリマーをナノファイバー化したものを用いて、それに電子伝導層を附与して、導電性ナノファイバーを得るものです。ナノファイバー化の方法は限定していません。例えば、今話題のセルロースファイバーですが、このTEMP酸化して誘導したセルロースナノファイバーはカルボン酸基を担持している高分子電解質です。TEMP酸化型セルロースナノファイバーを用いて、これに無電解めっきで導電性を附与した導電性ナノファイバーを製造する場合は本特許に関わってきます。
イオン伝導性ポリマーである、例えば、市販の高分子電解質で燃料電池や電池材料に用いられるパーフルオロカーボンスルホン酸(ナフィオン(R))や、エンプラのポリイミドスルホン酸などは機能性材料として電子材料として利用されていますが、それらをナノファイバー化させて、それらに無電解めっきを行い、金属層を電子伝導層とした導電性ナノファイバーを製造する場合は本特許の内容に関わってきます。
本特許のアイデアです。
2018年7月2日


最新記事 by 庄司英一 (Eiichi Shoji, MONOZUKURI LAB) (全て見る)
- プロフィールを更新しました - 2019年11月16日
- MUSICROBOT 音楽における人とロボットの調和・共生技術 - 2019年11月9日
- ウランガラスの光 - 2019年11月4日