【特許】高分子アクチュエータ(人工筋肉)を動かすのに適したPWM駆動方法の紹介

従来、高分子アクチュエータを動かす場合、電圧で変位量を制御するために、直流電圧を印加する方法(STEPやSWEEPによる印加)がとられていますが、この方法は、状況によっては電極に深刻なダメージを与え、動かなくなっていきます。

印加電圧値を変化させることなく屈曲変位量および発生力を滑らかに変化させて電極の破壊や劣化を回避できるアクチュエータの制御方法を提供することを目的とした特許(特許第5252616号)です。本制御方法の発想は、アクチュエータの応答性を利用して導いています。いわゆるパルス変調(PWM)制御になるのですが、この方法を高分子アクチュエータの制御に適用するアイデアです。

アクチュエータ駆動システムおよびアクチュエータの制御方法
(特許第5252616号)

特許第5252616号.pdf

【請求項1】
第1面(表面)と第2面(裏面)とを有するフィルムと、該フィルムの第1面上に形成された第1電極と、該フィルムの第2面上に形成された第2電極とを備え、前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の電圧値を印加することによって該第1電極方向または前記第2電極方向へ前記フィルムが屈曲し、該電圧値の正負の反転により該フィルムの屈曲方向も反転するアクチュエータにおいて、前記アクチュエータは、前記第1電極から前記第2電極へ正負の直流電圧を交互に印加する電圧パルスの印加方法では、前記アクチュエータの屈曲反転が追従できなくなる該電圧パルスの周波数である周波数の閾値を有し、前記第1電極から前記第2電極へ、正または負の同一の電圧値、前記閾値以上の同一の周波数、及び同一のPWM(Pulse Width Modulation)値をもつ電圧パルスを複数回連続して印加する、電圧パルス印加ステップを含むアクチュエータの制御方法であって、前記電圧パルス印加ステップの前記正負の電圧値を変化させた別の電圧パルス印加ステップを含むことを特徴とする、アクチュエータの制御方法。

パルスが来る(オン)の度に、高分子アクチュエータ素子を少しずつ変位させます。オフの時に戻りますが、次にまたパルスが来ると変位が加算されていきます。高分子アクチュエータが応答出来ない程度の周波数(100Hz)以上に周波数を上げると、後戻りは実質的に起こらずに、パルスが来る度に変位します。パルス幅で変位量が調節できます(PWM制御)。安全閾の電圧値に固定してPWM制御すれば、電極劣化の少ない制御が簡単に実現します。

例えば、導電性布帛を接合する高分子アクチュエータとこの制御方法の組み合わせで使えます。

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庄司英一 (Eiichi Shoji, MONOZUKURI LAB)
人とロボットが共生する工学技術をめざして、先端マテリアル創造ものづくり研究室として福井大学で活動しています。日頃の研究活動から、研究に関わることや出来事、おもしろそうな話題などを発信します。

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