FENDER STRATOCASTER シングルピックアップコイルの回路シミュレーション

エレキギターにはコンデンサーと呼ばれる部品が回路に入っています。これは、ピックアップコイルから高音域を除去するためにあります。高音域を除去しないと耳障りなキンキンした音になってしまいます。高音域をカットするというのは低音成分を通す(ロー(低音)をパス(通過させ)る、つまりローパス)ということです。世の中のエレキギターは、ピックアップコイルの出力に『ローパスフィルター』をつないで音質を調整し、その出力をギターアンプに接続して音を鳴らすことをしています。

フェンダーのシングルピックアップコイルの回路で使用する、ローパスフィルターのコンデンサーの容量と周波数特性をパラメータを整理してシミュレーションが出来るようにしました。

通常は、

ストラトキャスター等のシングルピックアップコイルには 0.047μF
レスポール等のハムバッカーピックアップコイルには 0.022μF

が使われて、、、とされています。ただ、そうするかどうかはこだわりの問題です。フェンダーストラトキャスターのシングルピックアップコイルを再現するパラメータで、トーンコントロールとボリュームをフルテンにした設定で、コンデンサの容量を変化させて周波数特性をシミュレーションしてみました。

グラフにしてみるとこんな感じです。


Fig. 1  コンデンサの静電容量による周波数特性への影響,C:0.01,0.022,0.047,0.1,0.2μF

0.022で1000Hzから、0.047で600Hzから高音域がカットされ始めます。音で聞くと明確な違いなのですが、どちらがよいかはこだわり、好みの問題になります。

良い音、良くない音とは個人の感性によって変化します。エレキギターの世界ではコンデンサーの銘柄・年代物のこれは良い音なんだ、、、というような議論があります。エレキギターの音質へのこだわりは当人が良い音だと思えばよい世界であり、プラシーボ効果だなんて言ったらぶち壊しな世界かもしれません。コンデンサーは同じ容量でも音質が実際に変化するのは、コンデンサーの素材、さらに構造によるコンデンサーの耐電圧などが影響するからだと個人的には考えています。また、コンデンサーの静電容量には許容誤差、いわゆるばらつきが例えば±10%あれば、これは音質に影響を与えるはずだとも考えています。そこで、0.047μFの場合ですが、±10%の誤差でシミュレーションしてみると、以下のグラフになります。


Fig. 2  コンデンサの静電容量の許容誤差による周波数特性への影響, C:0.047μF±10%

これだけ周波数特性に影響があれば、音質は影響しますね。

エレキギターのコンデンサーの世界は探求すればするほど訳がわからなくなります。周波数特性が定量的にどのように変化しているのか、、、という確認はとても重要だと思います。今回、ピックアップコイルのパラメータを整理して、その回路シミュレーションが出来るようになったので、今後、音響特性と回路定数との関係などの探求につなげて行ければと思います。

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庄司英一 (Eiichi Shoji, MONOZUKURI LAB)
人とロボットが共生する工学技術をめざして、先端マテリアル創造ものづくり研究室として福井大学で活動しています。日頃の研究活動から、開示できる情報を発信します。

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