人工知能(AI)の現状 – ICT進化と雇用影響の調査研究報告書から

ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究という報告書があります。野村総研がH28.3にまとめたもので、人工知能(AI)等による幅広い雇用代替の可能性などについて触れたものですが、AIについてとても面白い話題が報告されておりますので、ICTに関わる方はご一読されますことをおすすめ致します。ここでは引用しながら紹介させて頂きます。抜粋になりますので、元の報告書PDFをご覧になり、どのページの部分かをご確認しながら読み進めをお願いいたします。

日常生活に浸透する人工知能

 人工知能(AI)は、 技術水準が向上しつつあるのみならず、既に様々な商品・サービスに組み込まれて広く利活用されている。身近なところでは、インターネットの検索エンジン、スマートフォンの音声応答アプリケーションであるアップル(Apple、アメリカ)の「Siri」、各社の 掃除ロボットが例として 挙げられる。また、 「ペッパー (Pepper)」(ソフトバンクロボティクス )のように、 人工知能(AI)を搭載した人型ロボットも実用化されている。
AI(人工知能)に対しては、日米双方で、「コンピューターが人間のように見たり、聞いたり、話したりする技術」という人間の知覚や発話の代替に近いイメージを抱く者が多い。加えて、米国では、AI(人工知能)は「人間の脳の認知・判断などの機能を、人間の脳の仕組みとは異なる仕組みで実現する技術」という人間の脳の代替に近いイメージも浸透している。AI(人工知能)に対するイメージは、日米で必ずしも一致するものではなく、また一様ではないのが現状である。
AI(人工知能)に対するイメージは、必ずしも日米で一致したものではない。

人工知能とは何か

 このように 普及しつつある人工知能(AI)という 言葉が、初めて世に知られたのは1956年の国際学会と比較的新しい。人工知能(AI)は、大まかには「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と説明されている ものの、その正確な 定義は研究者によって異なっている状況にある(下表参照)。
定義は研究者によって異なっている状況にある。
その背景として、まず「そもそも 『知性』や『知能』自体の定義がない」ことから、人工的な知能を定義することもまた 困難である事情が 指摘される。そして、人工知能(AI)を「人間のように考えるコンピュータ」と捉えるのであれば、そのような人工知能(AI)は未だ実現しておらず、研究の方向性ないし将来の目標を示す定義となってしまう点が指摘される。ここで、「人間のように考える 」ことの意味は、人間と同様の知能ないし知的な 結果を 得ることを 成果として、知能を獲得する原理については人間と同様であるか、人工知能(AI)がコンピュータ特有の原理を とるかを 問わない とされる。人工知能(AI)とは「考える」という 目に見えない活動を対象とする研究分野であって、人工知能(AI)が ロボット など特定の形態に搭載されている必要はない。次に、現時点の研究水準に基づいて人工知能(AI)を定義する場合、人工知能の研究とは「知能を構成論的に解明する」すなわち人工知能を実際に作ることによって理解するという方法論に基づく傾向があることから、現時点までに到達できた技術を整理した定義となる。一方で、人工知能に関連する「音声認識」「自然言語処理」「機械学習」などの各分野は、既にそれぞれが独立した学問領域とみなされており、これらを包含した形で人工知能が定義される状況にはない。

ロボットの研究との関係

 人工知能とロボットの研究はどのような関係にあるのでしょうか。人工知能とロボットは一緒に扱われることがありますが、センサや音声対話など関連ある技術はあるものの、その進歩は基本的には独立したものだったといえます。1970年代における人工知能の第一次ブームは、まだロボットは萌芽期でした。1980年代における人工知能の第二次ブームはロボットの第一次ブームに対応しますが、二足歩行技術を中心としてロボットが第二次ブームを迎えた2000年代は、人工知能にとっては冬の時代でした。2010年代のいま、人工知能とロボットはともに第三次ブームを迎えましたが、研究者の交流など両者の直接の関係性はまだ十分とは言えません。人工知能とロボットの研究が相乗効果を持ち、たとえば人工知能がロボットを通じて身体的な経験を得ることができるようになるかは、今後の研究にかかっています。
人工知能開発者とロボット開発者の間との交流に開きがあるのが現状、それを詰めるのは今後の研究次第。

代表的な研究テーマ

 人工知能(AI)の代表的な研究テーマを整理したものが下表である。ただし、研究テーマは多岐にわたり、相互に関係していることから明瞭に分類することが困難であり、下表は紙幅をふまえた便宜的なものである。また、実用化にあたっては複数の技術を組み合わせて用いられていることから、各テーマは排他的なものではない。
 
AIの研究テーマは多岐にわたり、これっと言ったものに明瞭に分類することが困難。

これは他の研究分野でもよくあることですね。

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庄司英一 (Eiichi Shoji, MONOZUKURI LAB)
人とロボットが共生する工学技術をめざして、先端マテリアル創造ものづくり研究室として福井大学で活動しています。日頃の研究活動から、研究に関わることや出来事、おもしろそうな話題などを発信します。

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